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2024/10/10

床暖房はリフォームで後付け可能?気になる費用やマンションの対応方法を徹底解説

「冬の床の冷たさに耐えられない」
「エアコンの風が苦手」

このようなお悩みがあれば、床暖房の導入を検討してみませんか。床暖房は足元からじんわりと温めてくれるため、快適に過ごせると人気です。今回の記事では、床暖房の後付けリフォームに関する基礎知識や、費用・工期について解説しています。

>戸建て・マンション共に床暖房はリフォームで後付けできる?

結論から述べると、戸建てとマンションのどちらも床暖房の後付けは可能です。後ほど詳しく紹介しますが、床暖房には「電気式」「温水式」の2種類があります。戸建てにお住まいの場合は自由にリフォームできるため、希望の種類の床暖房が後付けできるでしょう。

マンションは制約がないか要確認

マンションも床暖房の後付けは可能ですが、管理規約によってリフォーム内容が制限されることもあります。

例:
・温水式のパイプを床下に敷設するのは禁止
・遮音性の高い床材を使用しているため、床の張り替えが禁止 など

管理規約を確認しないまま工事を進めると、原状回復を命じられることもあるため、必ず床暖房の設置リフォームが可能か調べておきましょう。

>床暖房をリフォームで後付けするメリットとデメリット

納得して床暖房を導入するためにも、まずはメリットとデメリットを整理してみましょう。

メリット

床暖房を導入する主なメリットは、以下の通りです。

【メリット】
・乾燥を防げる
・足元が温まる
・こまめなメンテナンスが不要
・片付ける必要がない

床暖房はエアコンのように気流が生じないため、空気や肌が乾燥しません。洗濯物を干す際、風の有無により乾燥スピードが変わるように、人の肌もエアコンの気流が当たると乾燥しやすくなるのです。床暖房は輻射熱で床を温め、電動熱と対流熱により部屋全体を温めるため、気流が生じません。

また、足元が温かければ室温が低くても、体感温度は高くなるのも特徴です。室温が上がるほど湿度は下がるため、空気の乾燥を防ぐことにもつながります。

床暖房はエアコンのように、頻繁なメンテナンスが不要な点もメリットです。ただし後述しますが、温水式は数年に一度、配管のメンテナンスが必要になることを覚えておきましょう。

ファンヒーターなど冬季しか使わない家電は、オフシーズンになると片付けなければなりませんが、床暖房はその必要はありません。夏場は普通のフローリングとして使用できるため、片付ける手間やスぺースが不要な点はうれしいポイントです。

デメリット

床暖房にはデメリットもあります。導入後に後悔することがないよう、よく確認しておきましょう。

【デメリット】
・初期費用やランニングコストがかかる
・すぐには温まらない
・段差ができることもある
・床暖房に適した床材を使う必要がある

床暖房の大きなデメリットは、初期費用やランニングコストがかかる点です。エアコンやストーブを同時に使用する場合は、光熱費の増え方に驚くかもしれません。注意したい点としては、床暖房の種類によって初期費用やランニングコストが異なるため、それぞれの特徴を踏まえながら選ぶ必要があることです。

また、床暖房は温まる速度が遅いのがデメリットです。すぐには温まらないため、最初のうちはエアコンやストーブで室温を上げる必要があります。その結果、光熱費がアップする恐れも。

床暖房を後付けするには、床を張り替えるか、既存の床の上に床断熱を取り付ける方法があります。後者の場合、床断熱分を設置した部分は床の厚みが増すため、段差が生じてドアの開け閉めに影響することもあります。

さらに、熱を加えても変形・変色しにくい床暖房対応の床材を使用しなければなりません。場合によっては、希望の床材が使用できない場合があることも覚えておきましょう。

>リフォームで後付けできる床暖房は2種類

先ほど触れたように、床暖房は大きく分けて2種類あります。それぞれの特徴を確認し、自宅に導入する際の判断材料としてください。

電気式

電気式は、文字通り電気を熱源とする床暖房です。

種類

「電熱線式」「蓄熱式」「PTCヒーター式」の3種類があるため、特徴を覚えておくと選びやすくなるでしょう。

電気式床暖房の種類特徴
電熱線式電熱線に電気を流し発熱する、オーソドックスなタイプ
蓄熱式深夜電力を利用して蓄熱材に熱を蓄え、その熱で床面を暖めるタイプ。24時間運転するため1日中暖かいが、リフォームでは大掛かりな工事になりやすい。
PTCヒーター式床の温度を自動でコントロールする機能を備えたタイプ。とても薄く、床の厚みが増しにくい。温度調節機能により、日光が当たる場所や物を置いている場所が熱くなりすぎない。

メリット

・初期費用が安い
・自由な場所に設置できる
・メンテナンスがほぼ不要

電気式はヒーター部分が薄く、重ね張りしやすい種類であることや、配管工事が必要ないことから、初期費用が安いというメリットがあります。温水式のように熱源機を導入しなくて済むのもポイント。

温水式のように配管が必要ないため、キッチンの一部や脱衣所など限られたスぺースにも施工が可能です。メンテナンスは基本的に不要な点も大きなメリットです。

デメリット

・ランニングコストが高い
・温まるまで時間がかかる
・温度にムラが発生することもある

デメリットは、ランニングコストが高いこと。PTCヒーター式の床暖房の場合、1ヵ月の電気料金は約8,400円(※)になるため、光熱費が想像以上に高くなる可能性があります。
※パナソニック電気床暖房 フリーほっと 100Vタイプ/200Vタイプ

また、電気式は温水式に比べて立ち上がりが遅く、床の表面が十分に温まるまで80分ほど必要だというデータもあります。

※画像引用:東邦ガスネットワーク

電気式は電熱線が通っていない場所には熱が伝わりにくく、温かさにムラが生じやすいのがデメリットです。

適している人

初期費用を抑えたい人や自宅がオール電化、狭い場所にも設置したいといった人に適しています。

温水式

温水式は、床下に張り巡らされたパイプ内を温水が通ることで、床が温まるシステムです。

種類

温水式は、「ガス式」「ヒートポンプ式」「ハイブリッド式」の3種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。

温水式床暖房の種類特徴
ガス式ガス式の熱源機(給湯器)で沸かした温水を使用するタイプ。暖房機能付きの給湯器でない場合、熱源機の交換も必要。
ヒートポンプ式電気式の熱源機で沸かした温水を使用するタイプ。床暖房対応でない場合、熱源機の交換も必要。
ハイブリッド式ガスと電気の両方で作られた温水を使用するタイプ。

メリット

・ランニングコストが電気式より安い
・床が早く均一に温まる
・低温やけどの心配が少ない

温水式のメリットは、ランニングコストが電気式よりも安いところ。設定温度にもよりますが、電気式の約1/2で済むケースが多いようです。特にヒートポンプ式は日々の光熱費を抑えられるため、ランニングコストが気になる方はヒートポンプ式やハイブリッド式を検討するとよいでしょう。

パイプ内を温水が巡るため、床が早く均一に温まるのも、温水式のメリットです。40~60℃の温水を使用するため、低温やけどの心配も少なく、小さな子どもや高齢者のいる家庭でも安心して使用できるでしょう。

デメリット

・導入コストが高い
・狭い範囲の施工には不向き
・定期的なメンテナンスが必要

導入コストの高さは、温水式の大きなデメリットと言えます。施工に手間がかかるため、どうしても1畳当たりの単価が高くなりがちです。

また、狭い範囲にはパイプを設置するのが難しく、リビングや居室など広めのスぺースへの導入が適しています。もしパイプ内の温水が凍結する可能性がある場合、不凍液を使用する必要があるのですが、数年ごとに入れ替える必要があります。

定期的なメンテナンスが必要になるのも、温水式のデメリットです。

適している人

ランニングコストを抑えたい、早く温めたいという人に適しています。

>床暖房の後付けリフォームに必要な費用と工期

床暖房の後付けリフォームには主に2種類の工法がありますが、ここではそれぞれに必要となる費用と工期を解説します。

床暖房の後付けリフォームの工法は2種類

床暖房の後付けリフォームは、既存の床の上に床暖房を取り付ける「重ね張り」と、床材ごと張り替える「張り替え」の2種類があります。それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
重ね張り・費用が安い
・工期が短い
・段差が生じやすい
・床の傷みには対応できない
張り替え・段差ができない
・床も一緒にリフォームできる
・費用が高い
・工期が長い

重ね張りと張り替えについては、こちらの記事をぜひご覧ください。

重ね張り

1畳あたりの単価工期
電気式5~7万円1~2日
温水式6~8万円+熱源機1~2日

重ね張りの場合、廃材処分費が発生しないため、張り替えよりも施工費用が抑えられます。温水式は配管工事を伴うため、電気式よりも単価が高くなります。

また、温水式は温水を作る熱源機(給湯器)が必要です。既存の熱源機が床暖房に対応していない場合、熱源機も交換しなくてはなりません。交換費用は機種によりますが、25~100万円程度必要だと考えておきましょう。

既存の床の上に床暖房を敷設するため、工期は1~2日と短く済みます。ただし、床の高さの調整に伴う追加工事が発生した場合、さらに工期が必要です。

張り替え

1畳あたりの単価工期
電気式6~10万円3~4日
温水式8~12万円+熱源機3~4日

張り替えは、既存の床材の処分費用が発生し、作業工程が増えることから単価は高めです。重ね張りと同様、温水式は配管工事と熱源機の費用が必要だと覚えておきましょう。

工期は3~4日ほどかかり、その間は別の部屋で暮らす必要があります。もし、床の下地が傷んでいるなど問題があれば、さらに工期が延長することもあります。

>床暖房の後付けリフォームを成功させるポイント

床暖房を後付けする際に、ぜひ覚えておいてほしいポイントが3つあります。

床暖房を設置する範囲を考える

床暖房は広範囲に設置するほど温まりやすくなりますが、同時に導入コストやランニングコストが増えます。そのため、床暖房をどの範囲に設置するのか、事前によく検討しておきましょう。

例:リビングに導入する場合の目安
・暖かさを重視する場合→6~7割
・費用を節約したい場合→5~7割

上記のようにリビングに導入する場合、暖かさや快適さを重視するのであれば、リビングの面積に対して6~7割の床暖房を導入するとよいでしょう。導入コストやランニングコストを抑えたい場合は、5~7割の範囲に設置するのがおすすめです。

そのほかにも、家具の下や通路など温める必要のない場所にはパネルを設置せず、家族が重点的に集まる場所に設置するなど、バランスも考慮するとよいでしょう。

電気容量を確保する

電気式床暖房や、温水式床暖房のヒートポンプ式を導入する場合、余分な電気容量があるかどうか確認しておきましょう。もし契約しているアンペア数では不足するのであれば、アンペア数変更の手続きや工事が必要です。

特にマンションは各家庭で使用できる電気容量に限りがあるため、現在の使用容量によっては導入できない可能性があります。リフォーム契約前に、必ず管理組合に相談しましょう。

断熱も見直す

そもそも窓や壁の断熱性能が低いと、部屋が効率よく温まりません。床暖房を設置しても、断熱性能が低い部屋では温まりにくく、光熱費が増えるといった問題が考えられるため、一度断熱についても見直すとよいでしょう。

まとめ

床暖房は戸建て・マンションのどちらでも後付けできますが、マンションの場合は管理規約や電気容量を確認しておく必要があります。また、電気式と温水式のどちらを選ぶかによって、導入コストやランニングコストが変わってきます。

それぞれのメリット・デメリットをよく比較した上で、床暖房の種類を決めるのがポイントです。もしどちらがいいのか迷う場合は、プロの意見を参考にするのもよいでしょう。

アールツーホームはお客様の家族構成やライフスタイル、ご希望などをじっくりヒアリングした上で、ご予算に合わせた適切な床暖房をご提案いたします。床暖房は長く使うものですので、ぜひあなたのご希望をスタッフにお聞かせください。

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