数年前に購入した築35年の中古マンション。キッチンなど水回りのリフォームはしましたが、使いづらい間取りや光の入らないリビングなど、まだまだ欠点がありました。住み替えも検討はしたそうですが、駅から近く、まわりに公園があるこの環境以上の物件は見つからなかったのだとか。そこでリフォームをすることに。休日はゆっくりと映画鑑賞などしたいというご主人がこだわったのは、居心地の良いリビング。細かいところまで考え抜き、妥協せずにプランを組み立てていきました。一方、キッチンやベッドルームは使いやすさを重視。収納は、容量としては以前より少なくなりましたが、使いづらかった押入をなくして、パントリーやオープン収納、ニッチ棚など要所要所に必要な収納を設けたことで、すっきりと片付く家になりました。
リビング
元は2部屋だった壁を取り払って、ベランダ側のいちばん明るい場所にリビングを持ってきました。
できる限りリビングを広く取りたいと、テレビは壁に貼り付け、天井はむき出しに。床はお手持ちの家具のテイストに合わせて焦げ茶のフローリングにしました。
リビング
壁紙は白を基調にしつつ、部屋ごとに差し色を入れて変化をつけています。リビングの差し色は鮮やかなブルー。ご主人がショールームで見て一目惚れした色です。
気に入った色を存分に楽しめるようにと、面積の広いリビングの側面を一面ブルーにしました。
リビング
こちらはブルーの壁の反対側です。以前からお持ちの家具がフローリングの色と良くマッチしています。天井をむき出しにしたためキッチンの換気扇のダクトが表れました。
ご主人の思い出が詰まったヴィンテージジーンズや観葉植物が空間を彩ります。
ベッドルーム
実はリビングのブルーの壁は、その隣にあるベッドルームにまで繋げています。ベッドルームはベッドがちょうど入る必要最小限の大きさに。
壁の収納も、なるべくスペースを多く取れるよう扉は付けずオープンに。早朝出勤もあるご主人のスーツを掛けるハンガーも用意しました。
ベッドルーム
外からの光と風を取り込みたいと、ベッドルームには窓を付けました。
窓を横に長く繋げたことで視界が広がり、狭さを感じさせません。
キッチン
白で統一した清潔感のあるキッチン。流し台の奥のコーナー部分が、以前はデッドスペースになっていて使いづらかったのだとか。
この部分をパントリーにしました。夫婦共働きでストック品も多いため、とても重宝しています。
バスルーム
在来工法のお風呂からユニットバスに刷新。左側にある小さな窓を生かしたため換気がしやすく湿気が籠もりません。
白を基調に明るいグレーを合わせた清潔感のあるバスルームです。
洗面台
洗面所はニュアンスのあるグレーの壁紙とクラシカルなウォールランプで優しい雰囲気に。
左側の壁を壊したときに表れたニッチスペースにはオープン棚を取り付けました。日常的に使う物を置く場所として、とても便利です。
トイレ
壁紙を選んでいたときに気に入った幾何学模様のブルーの壁紙をトイレに。個性的な柄も、トイレのような狭いスペースなら主張しすぎず収まります。
全体に使用した色は、白、ブルー、焦げ茶とリビングと同じなので、家全体としての統一感もあります。
玄関
通常のマンションの倍に広げた玄関スペース。イメージは土間です。
ご主人の趣味である自転車を置くスペースも確保できました。いずれお子さんが産まれたら、ベビーカー置き場としての利用も考えているそうです。
リフォーム前の課題
今から35年前に建てられたマンションは、間取りが現代の暮らし方に合っていませんでした。そこで、まずは間取りの検討を。リビングをできる限り広く取りたいので、キッチンやベッドルームはコンパクトに。映画鑑賞を想定して、テレビやスピーカー、ソファの位置も最初から決め、それらを実現させるための手法を選んでいきました。
ここを学べ!
リビングを空間として広くしたいとのご要望。そのため天井高も確保したいので、天井はむき出しで換気ダクトも見せたまま、床も直貼りタイプのフローリングに。ご主人の要望がはっきりしていたので、大胆な提案も出すことができました。打ち合わせに6時間かけたこともあったのだとか。その熱意もポイントのひとつです。
かつてマンションによく見られた間取りですが、陽当たりの良いベランダ側に個室が2部屋あり、陽が入らない中央部にLDKがありました。家族がメインで使うリビングをベランダ側にもってきて、広いLDKを実現させました。