築3年のマンションを2020年8月に購入され、2021年の5月に入居されたK様。以前住んでいたマンションはエリアも部屋も気に入っていたものの、夫婦ともにリモートワークになったことがきっかけで手狭になり、物件購入を検討されました。もともとはリフォームするつもりはなかったものの、購入から引き渡しまで時間があったこと、そして間取りや内装をもっと理想の空間に仕上げたいと思い始めたことがきっかけで、リフォームを検討され始めました。
一級建築士として仕事をされている施工主様なので、マンションの構造を理解されており、現状だと無駄なスペースが多いことにも気づかれていました。安全構造上問題なくスペースを広げることや、ホームパーティをよく開くためオープンキッチンにして、お客様との会話をしやすい空間にすることなど、一つ一つの部屋にこだわりをもたれていた施工主様の理想に近い形で、リフォームを行うことができました。
◆Before・After
柱や梁、キッチンのダクトスペース、パイプスペース等を最小限にすることや、洗面所のデッドスペースを解消するためのレイアウト変更、キッチンの吊り戸棚、下り天井の撤去をすることで全体的な空間が広く、有効に使えるようになったと思います。
キッチン
吊り戸棚があり狭さを感じるキッチンを、オープンキッチンにすることで広々とした空間に仕上げました。ホームパーティが好きな施工主様は、ゲストと一緒に料理をしたいと思い、両側から料理がしやすい高さのものを選ばれました。また、作業台を広げるためにコンロと作業台が分かれているのも特徴です。
キッチン02
電子レンジや冷蔵庫は前の家で使っていたものを使用するため、事前に寸法を測り、ぴったりと納まるように棚の高さや幅、壁の位置などを決めました。もともと食器用の棚ではなかったものをメーカーと交渉し、食器用の棚として使えるようにしました。扉の色はキッチン、収納棚ともに合わせています。
収納スペース
上階にいくにつれて構造上柱・梁は小さくなりますが、壁や梁の仕上げが下階と同じ位置で設計されていたため、平面的にも空間的にもデッドスペースになっておりました。柱や梁周りを最小限のスペースにすること、収納スペースを柱側に移動することで、開放感のあるすっきりとした間取りになり、リビング全体が広く感じられるようになりました。
寝室
リビングと寝室の間の壁が厚くて二人分のベッドが入らなかったため、壁を薄くし広さを確保しました。また、寝室に室内窓をつけることで、隣の部屋からの朝日が寝室にも届くように。旦那様が太陽の光で目覚め、奥様は目覚ましを使って起きられるため、窓から入る光は旦那様のベッドにだけ届くように位置を工夫しました。外壁側の洋室は温熱環境が厳しいため、外壁に面していない部屋を寝室にして良かったと仰っていただいています。
床と壁
施工前の床の色はグレーで、キッチンや建具・収納が濃いブラウンだったため、全体的に暗い印象でした。北欧風の家を希望されていたため、床は明るめの木材、壁は白や薄紫、建具は濃紺を採用し、部屋全体を明るい印象に仕上げました。寝室側の壁にはご自身で撮影された写真を飾るためのレールを取り付けています。
天井
施工前はキッチンのダクトスペースの梁状のところが躯体の梁に合わせて前に出てきたため、エアコンを設置すると部屋に圧迫感を与えてしまっていました。そこでダクトスペースを最小限として、エアコンをなるべく外壁に近い位置で設置できるようにすることで、狭さや圧迫感を感じない部屋になりました。
洗面所
物を置くスペースを広く確保したいというご要望だったため、広めの洗面台を採用しました。施工前にあった洗濯機上の吊り戸棚は高さや奥行きがなく、使いづらさがあったため、大きめの吊戸棚に変更しています。鏡は再利用しました。
洗面所02
施工主様が以前住まれていた場所は、洗面所が広く洗濯乾燥機を設置できて使いやすい広さだったため、その使い心地をそのまま持って来られたいというご要望がありました。洗濯乾燥機を設置し、着替えや洗濯物を入れられるスペースを確保した使いやすい洗面所になりました。
通り口
施工前の洗面所はコーナー部分がデッドスペースになっており、レイアウトを変更することでキッチンと洗面所をつなげることができ、また洗面所もかなり広くなりました。キッチンと洗面所が繋がっていることにより、家事動線が短く使いやすい間取りになりました。洗面所にも日光がキッチン側から入ることで明るくなり、洗濯している時も圧迫感がなくなりました。扉をアーチ状にして、鳥のモチーフを飾ることで可愛らしい雰囲気になりました。
間取り図
間取り図(before / after)
リフォーム前の課題
最上階に必要ないとされる配管スペースが配置されていたり、必要以上に柱や梁が大きいこと、洗面所にデッドスペースがあることで、部屋のスペースが十分に使用できなていないという課題がありました。
またキッチンには吊り戸棚があったため閉鎖的な空間になっていて狭く感じられたことや、床やキッチンや建具・収納が濃いブラウンだったことにより部屋全体が暗く見えてしまったこともあり、北欧イメージの部屋にリフォームしたいとご依頼いただきました。
ここを学べ!
施工主様は一級建築士として活躍されていることもあり、建築に関する知識がすでに豊富だったこともありますが、どのような家にしたいかというイメージがしっかりとまとまっていました。また小さなことでも希望をきちんと伝えてくださったため、施工主様が理想とする部屋を作ることができました。