約27年間過ごしてこられたマンションのお部屋を、職場からの退職に合わせて売却するかリフォームするのかで悩んでいらしたIさん。当社へお越しになったのも、複数のリフォーム業社と不動産会社を回られ検討を深められていた段階でした。
私たちはもしもリフォームをする場合には、という目線でいくつかの具体的な案をご提案しました。
I様はお住まいになりたい居室のイメージがしっかり出来上がっていたため、そのご希望をできる限り形にできるよう施工に入らせていただきました。
◆Before・After
お悩みだった、風通しの問題が解決。壁を抜いて風の通り道を確保したことで、空気の循環がいい広々と感じられる居室となりました。
また断熱材を入れ、窓を二重サッシにしたことで温度変化に対して室内が過ごしやすく、外の騒音もほとんど拾わなくなったとご報告をいただいています。
リビング
リビングは、和風でシックな印象を目指しました。ご友人がいらっしゃる事が多いとのことで、大人が集いくつろいで過ごせる空間となっています。壁紙はうっすらと柔らかい金色、要所に締め色として濃い配色がなされ、豪奢な雰囲気も。シーリングファンが雰囲気づくりと空調のサポートを担ってくれます。
キッチン①
I様のご自宅はキッチンパネル部分に配線や梁が通っており、換気扇フードのリフォームは難易度が高い状態でした。現場の職人さんの力を借りながら、見た目に美しく利便性の高い設置をするため現場で調整を繰り返して、なんとか完成させることができました。
キッチンカウンター右下にある空間は、ヒーターの定位置です。年間を通してヒーターを置いておけるようにあらかじめ専用のスペースを設けました。
キッチン②
アイランド式のキッチンは、展示場でIさまの理想にぴったり来るものを探しました。後ろのカップボードもお揃いで設置し、統一感を出しています。またキッチン上の天井は黒の壁紙が貼られていますが、実はよく見ると光の加減で浮かぶ市松模様となっています。リビングの壁紙が全体的に淡い金色をまとっているため、大人っぽさと高級感が増しています。
寝室
壁を抜いて広くリノベーションした寝室は、ゲストが泊まる際には二部屋に戻せる作りに。天井から床まで続くしっかりした素材のパーテーションパネルドアを引くことで、お互いの個室をつくることができます。
壁紙はI様のご希望を受け、ベッド側を穏やかな藍色、反対側のリラックススペースを朱色でまとめました。
ウォークインクローゼット
この位置には、もともとクローゼットが設置されていました。しかし、I様のお悩みである、室内で風が抜けず空気が循環しない原因を作ってしまっていたのが、この部分にあった扉や壁だったのです。
そこでクローゼットの壁を抜き隣接するリビングと寝室の両側に扉をつけて、空気の通り道を確保しました。
お部屋がより広く見えるよう扉そのものだけでなく周りの設計にもこだわり、開口部はどのくらいの大きさにするか、戸袋はどうするかまで試行錯誤を重ねました。
お風呂
浴室全体はモノトーンでまとめて、ホテルライクな空間となりました。
湯船の色は、I様がお好みの黒を選びました。水汚れが目立ちやすい色ではありますが、グレードを上げて汚れがつきにくい人工大理石のタイプを選んだこと、日常のケアをすることで大満足のバスタイムを送っていただけているそうです。
洗面ドレッサー
タイル貼りがおしゃれな、北欧感も漂うドレッサー周りです。鏡が大きいことで、空間の広さも演出。
お風呂場に黒が多く配色されているため、脱衣所として使うこのスペースも合わせてちょうどいい色のバランスが取られています。
実は左側のカーテンがついている窓の向こうに洗濯機があります。この部分は枠だけのため手をひょいと伸ばすと、洗濯機に洗い物をそのまま投入できる仕組みになっています。
お手洗い
「トイレに手を洗う場所を設けたい」と、当初からI様にご希望をいただいていました。他社ではスペース的に難しいと言われていたようですが、弊社では現在の流しを設置可能と判断しました。
壁紙もイメージ通りのものが見つかり、リビング等ほかの居室とも統一感のある洗練された和風のスペースとなっています。
玄関
以前に備え付けられていた、下駄箱を撤去して玄関にスペースを確保しました。I様は下駄箱代わりに二段ラックを置いて、日常使いの靴を管理されています。
帰宅時に玄関を開けると、アンティーク風の扉と優しいゴールドカラーの壁紙が迎えてくれる、家に帰ってくるのが嬉しくなる玄関です。
リフォーム前の課題
約27年間住んできたことによる経年劣化と、風の通りが良くないために湿度でカビが発生していた箇所がありました。またペットに犬を飼われていたため、床などに少しダメージも出ていました。
ここを学べ!
長い間お住まいになっていたご自宅ですので、生活の癖や流れを崩さないようにリフォーム案を設計しました。またお気に入りの家具などは、ずっと心地よく使っていただけるよう改装後の室内バランスも!様と一緒に考えていきました。
今後もずっと住まわれることを考えて、ガス管の交換もご提案。いつかは交換を検討すべき部分ですので、こうした機会に済ませてしまうと安心かと思います。