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2024/3/30

窓をペアガラス(複層ガラス)にするリフォームの費用はどれくらい?断熱効果は?

リフォームではデザイン性や見た目を良くする工事が優先される傾向にありますが、お家の断熱性を上げると、より快適な毎日をお過ごしいただけるようになります。

今回取り上げるのは「窓の断熱リフォーム」について。窓をリフォームすることで空調効率をアップさせ、暖かいお部屋を保てますよ。

断熱性のポイントは「窓」

冬の冷気や、夏の熱気など、外気の約6~7割は窓から出入りしています。冬にどんなにエアコンの温度を高くしてもなかなかお部屋が暖まらないのは、窓から多くの熱が逃げていることが理由です。つまり、裏を返すと、断熱性の高い窓に交換することで、家全体の断熱性もアップできるということになります。中でも窓のリフォームで多く採用されるのが、「ペアガラス」と呼ばれる窓ガラスです。

ペアガラス(複層ガラス)とは

窓リフォームを検討されている方の中には、「ペアガラス」がおすすめという話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

ペアガラス(複層ガラス)とは、2枚のガラスの間に空気層を含み、一体になっているガラスのことです。空気層があることで断熱性が上がり、空気層に厚みがあるほど断熱効果が高くなります。ペアガラスにはほかにも多くのメリットがありますが、同時にデメリットもあるため合わせてご紹介します。

ペアガラスのメリット

ペアガラスは室内の熱を逃がしにくい「断熱性」だけでなく、屋外からの熱をカットする「遮熱性」にも優れているのが特徴。ペアガラスを採用することで、冬は暖かく、夏は涼しい住まいづくりが可能になります。暖房を使用した際に気になる結露も、ペアガラスを採用することで解消できます。2枚のガラスの間にある空気の層が、屋外と室内の温度差を小さくしてくれるため、結露が発生しにくくなるのです。

防犯性を高めることもできるのも、ペアガラスの大きなメリットです。ペアガラスはさまざまな種類のガラスの中から、目的に応じて好みのガラスを組み合わせられます。強化ガラスや防犯フィルムを取り入れることで、防犯性の高い窓に仕上げられます。

ペアガラスのデメリット

住宅性能の向上に一役買ってくれるペアガラスですが、リフォームの際に知っておきたいデメリットもあるため、あわせて確認しておきましょう。

ペアガラスは1枚の窓に対して2枚のガラスが使われているため、シングルガラス(単板ガラス)と比較して価格が高くなります。シングルガラスからペアガラスへ交換する場合は、サッシの交換も必要になることもあり、そのぶん費用もかかる点は押さえておきましょう。

また、2枚のガラスの間に空間があることで、防音性が高まるイメージがあるかもしれませんが、ペアガラスに交換したからと言って必ずしも防音性が向上するとは限りません。窓ガラスの交換で防音性を高めたい場合は、防音ガラスを組み合わせたペアガラスか、2枚のガラスの間が真空になっているもの(真空ガラス)への交換を検討しましょう。

窓断熱リフォームの種類

窓断熱リフォームにはいくつか工法があります。ここでは多く採用される3パターンの工法をご紹介します。

①ガラス交換

新しいペアガラスが現在のサッシにおさまる場合は、ガラスのみを交換する方法が最も簡単です。窓のデザイン性を変えることなく断熱性能を高められますが、一方で、サッシ自体の性能は変わらないという点はデメリットと言えます。せっかく断熱性の高い窓に交換しても、外気温の影響を受けやすいアルミサッシのままだとサッシ部分から熱が逃げてしまうことがあるので注意しましょう。

◆窓ガラス交換におすすめのペアガラス
・真空ガラス
窓ガラスの結露対策にもおすすめなのが、2枚のガラスの間が真空になっているタイプのペアガラスです。シングルガラスは外気温が9度で結露が発生しますが、真空ガラスは外気温マイナス26度まで結露が発生しないという実証データもあるほど(※)。真空ガラスを販売しているメーカーのデータによると、シングルガラスと比較して約4倍の断熱性能があるとされています。
※室内温度20度、室内相対湿度60%など、一定の条件の下で算出した場合

・Low-e複層ガラス
複層ガラスの内側に「Low-e膜」という金属の層が施されたタイプのペアガラスです。断熱性・遮熱性に優れているだけでなく、大事な家具やインテリアの日焼け・色あせの原因となる紫外線もカットしくれます。メーカーによっては遮音性・防犯性・防災性の高いLow-e複層ガラスも扱っているため、目的や予算に合わせて選びましょう。

②内窓設置(二重窓、二重サッシ)

今回ご紹介している3パターンの工法の中で、最も断熱性能を高められるのが内窓の設置です。既存サッシはそのままに、部屋内側にもうひとつ窓を設置して二重窓にする工法です。断熱性だけでなく防音性の向上も期待できるため、大きな道路に面している場合や、室内で楽器演奏をしたりペットを飼ったりしたい場合におすすめです。

また、内窓設置はマンションの窓をリフォームする際にも有効です。マンションに初めからついている窓サッシは、住人が勝手に改修してはいけない部分ですが、内窓の設置は専有部の改修にあたるためリフォーム可能です。一方で、窓が二重になることで窓の開け閉めが2回になる点や、窓の掃除も2倍になる点はデメリットと言えます。

◆おすすめ商品
内窓は各メーカーからさまざまな製品が発売されており、組み合わせられるガラスの種類やサッシの種類など多くのバリエーションがあります。中でもLIXIL社製の「インプラス」やYKK AP社製「プラマードU」は、断熱性能をはじめとした機能性の高さはもとより、カスタマイズ性の高さからも人気があります。

③カバー工法

既存の窓サッシは壊さず、新しいサッシを上から被せで窓を取り付ける工法を「カバー工法」と呼びます。窓を壊さずに室内から施工できるため、マンションの窓のリフォームでもよく採用されます。手軽に窓ガラスの種類やサッシのデザインを変えられるため、窓の性能向上だけでなく、室内のイメージを一新できる点もメリットと言えます。

ただし、元々ある窓サッシに被せる形で工事を行うため、どうしても窓がひとまわり小さくなってしまう点には注意が必要です。

◆カバー工法におすすめのペアガラス
・アルミ樹脂複合窓
防火・準防火地域でも設置可能な断熱窓です。外側は一般的な窓サッシにも使用されているアルミ製ですが、室内側が樹脂になっているのが大きな特徴。樹脂はアルミの1000倍も熱を通しにくい材質のため、断熱性と防露性の高い窓にリフォーム可能です。

窓リフォームにかかる期間・費用

断熱窓へのリフォームを検討しているのなら、工事にどれくらいの期間と費用が必要なのかも気になりますよね。窓リフォームにかかる期間と費用について解説します。

窓リフォームの工事期間

断熱窓へ交換するリフォーム工事は、窓ガラスの交換または内窓の設置であれば、1~2時間程度で作業が完了します。カバー工法や窓サッシの交換が必要な場合は、半日~1日程度が目安になります。

窓リフォームの費用

窓のリフォームの費用は工法ごとに異なります。

カバー工法は枠ごと新しいサッシに交換するため、その他の2つの工法よりも費用がかかります。またサッシを解体して新品と交換する場合は、サッシ工事自体の費用は抑えられる一方で、外壁補修工事が必要になります。

窓のサイズや組み合わせるガラスの種類によっても、リフォームにかかる費用は変動します。予算が決まっている場合はあらかじめ担当者に伝えておくことで、予算内で可能な工事内容を提案してもらえます。

窓リフォームと組み合わせるとよいリフォーム

せっかく断熱性能の高い窓に交換するのであれば、ほかの箇所も合わせてリフォームすることで、家全体を快適な空間にしたいところですよね。窓のリフォームと相性がいいのは、天井・壁・床の断熱工事です。

物件によっては天井・壁・床に断熱材が入っていない、入っていても気持ち程度ということもあります。窓の交換と合わせて天井・壁・床の断熱材を見直すことで、家全体の断熱性能を高められるだけでなく、屋外との温度差が小さくなることで結露やカビの発生を防ぐことも可能になります。

戸建て住宅の場合

戸建て住宅の場合は、1階部の床下と壁、最上階の天井と壁に断熱材を追加することで、家全体の断熱性をアップできます。

床下に断熱材を入れる際は、床材の張り替えを合わせて行うことも可能ですが、費用を抑えたい・工事期間を短くしたい場合は、床材をはがさずに裏側から断熱材を入れることもできます。さらに足元を暖かくしたい場合には、床暖房の設置を検討してもいいでしょう。

天井裏に断熱材を入れることで、室内の暖かい空気が逃げるのを防ぐのはもちろんのこと、真夏の暑さを和げてくれる効果も期待できますよ。

マンションの場合

鉄骨や鉄筋コンクリートで作られたマンションは、木造住宅と比較して断熱性が低い傾向にあります。そのためコンクリートの上に直接ビニルクロスが貼られている壁・床・天井に、部屋の内側から断熱材を追加することで、家全体の断熱性を高められます。

マンションリフォームで断熱材を入れる場合は、発泡スチロール状の断熱板をはめ込むか、泡状の断熱材を吹き付ける方法のいずれかの工事が必要です。

断熱窓に交換するリフォームのみであれば、短い期間で費用を抑えながら工事を終えられます。しかし部屋全体の断熱性が低ければ、どんなに性能の高い窓を設置しても十分な効果は得られません。特に断熱性の低いマンションにお住いの場合は、窓と合わせて断熱材を追加する工事も検討するとよいでしょう。

補助金を使ってお得に窓リフォームをしよう!

設置する窓の種類やサイズによっては、当初想定していたよりリフォーム費用がかかってしまうということも少なくありません。そんな時に役立つのが、国や各自治体による補助金制度です。窓断熱リフォームは、省エネの観点から推進されており、対象要件に当てはまる場合はリフォーム費用の一部を補助してもらえます。

例えば「先進的窓リノベ事業」の補助金制度では、2024年12月31日までに工事が完了したリフォーム工事に対して、1戸あたり200万円を上限とした補助が行われることが予定されており、今回ご紹介した3種類のリフォーム工事も対象になります。またお住いの自治体によっては、独自の補助金制度を用意している場合もあります。

アールツーホームでは、窓リフォームをご検討の際、どの補助金を使えばお得にリフォームできるのかもあわせてご案内しています。また、リフォームのご相談、現地調査~お見積りまで、すべて無料で行っております。まずはお気軽にお問い合わせください。

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