独身時代にご夫婦それぞれロンドンとパリに住んだことがあり、古い建物に手を入れて大切に使い続けるヨーロッパの暮らしを素敵だなと思っていたというおふたり。お祖母様から引き継いだ築40年のビルの3階に引っ越してくることになり、その理想的なヨーロッパの暮らしを再現すべくリフォームすることにしました。LDKは白を基調に木質やタイルを合わせてシンプルでありながらアクセントを効かせて、寝室はウォールナット調のクラシカルな床を生かしてダークブルー系の落ち着く空間に。ご両親から引き継いだというお手持ちの家具に合う、希望どおりのリフォームが完成しました。
LDK
以前は奥まったところにキッチンがあるLDKでしたが、ご夫婦2人で使いやすいように対面式キッチンに変更。
天窓から光が降り注ぐ場所にキッチンを配置し、カウンターで仕切りました。天井と壁は白でシンプルに、木調のフローリングとブラインドを合わせました。
構造の柱をデザインに活用
構造上、どうしても取り除けない柱があったので、それを活用することに。柱だけでなく梁も一部見せることで空間のアクセントにしました。
鉄骨のためマグネットが貼り付くので、飾りをつけたりメモを貼ったりと日常生活でも何かと役立っています。
リビング
家具はほとんどが以前から使っていたもの。それに合う空間を造ることを考えました。
天井近くに横に長く通した棚は、施工の途中でご主人が思いついて追加したもの。高い位置なので目線の邪魔にならず、飾り棚としてとても重宝しています。
フローリングを斜め貼りに
こちらは玄関を入ってすぐの眺め。左手にベッドルーム、真っ直ぐ進んだ先がLDKです。
白い壁と天井、木のフローリングでシンプルなインテリアが希望でしたが、唯一こだわったのが床のフローリングの貼り方。斜め貼りにしてアクセントをつけました。
キッチン
天窓から光が降り注ぐキッチンは白でシンプルに。
床はグレーのタイル貼り。ダイニング側の腰壁にはグレーグラデーションのタイルをあしらいました。
ウォークインクローゼット
元の間取りでは収納が少なかったので、大型のウォークインクローゼットのスペースを確保しました。
大きな荷物からシーズンオフの洋服まで、いろいろなものを収納しています。LDKのすぐ脇なので取り出しやすいのも魅力です。
ベッドルーム
30年前にリフォームしたときに貼り替えたという床のフローリングは、木のパネルを模様になるよう組み合わせた美しいもの。
床のウォールナット色に、壁や天井をブルーグレーで合わせてシックな色合いにしました。
ベッドルームのクローゼット
ベッドルームに付いていたクローゼットは基本的に以前のままで、扉のみ部屋の雰囲気に合うように取り替えました。
床のウォールナット色に合わせて濃いめの木調で、落ち着きある空間にまとめました。
バスルーム
以前はタイル貼りの在来工法の風呂でしたが、機能性に優れた最新のユニットバスに取り替えたいと計画しました。
しかし、鉄骨の梁が邪魔をしてユニットを入れることができません。そこでバスルームと脱衣所の場所を入れ替えることに。希望どおりのユニットバスが実現しました。
脱衣・洗面所
バスルームと場所を入れ替えたため、窓際の明るい場所に移動した洗面所。
淡い色の小さなタイルを集めたカウンターと無垢の木の扉のシンプルな洗面台が空間にうまくおさまっています。
トイレ
トイレのインテリアは奥様がチョイス。好きなブルーと白でくっきりとしたツートンに。
トイレットペーパーホルダーや棚のブラケット、タオルハンガーはアイアンで揃えました。
リフォーム前の課題
二人で暮らすには収納が少なかったことと、風呂・トイレなど水まわりの配置を使いやすく工夫することが課題でした。ベッドルームはそのままに、LDKをどのようなスタイルにするかと、残りのスペースにどううまく水まわりを配置するかを考えながらプランを練りました。
ここを学べ!
雑誌でよく見かけるパリやロンドンのアパートメント暮らし。実際に暮らしていたH様は「基本はシンプルに。でもどこかにアクセントを入れるのがポイント。僕の場合は斜め貼りのフローリングとキッチン腰壁のタイルにこだわりました」とのこと。それからダイニングテーブルはお父様から受け継いだテーブルを解体してアイアンの脚を自分で取り付けたもの。1つ1つ違う椅子は中古をオークションで購入したのだとか。ご参考に!
LDKとベッドルームの位置がほぼ決まり、次に考えたのがトイレです。ベッドルームの向かいに造ることを考えましたが、レストランのように少し奥まった隠れたところにあるほうがお客様も利用しやすいのでは、ということでキッチンの奥の廊下に回り込んだところにトイレ、そしてその奥に風呂を配置。残りのスペースをウォークインクローゼットに決めました。