壁で仕切られた和室二間。仏間として以外は、日常的にほとんど使用していませんでした。壁がなく広々としていたら、お客様に自慢したくなるようなモダンな空間だったら、もっと使えるのではないだろうか。そんなご主人の思いから、アールツーホームにご相談をいただきました。
床柱や長押(なげし)は元の部材を生かし、変わり組子の障子を取り入れつつ、一方で、障子に赤い色を挿したり、床の間にタイルやフローリング材を用いたり。日本の伝統と現代のデザインを融合させた、モダンで上品な新しい和室が誕生しました。
和室
日常的に使用する空間ではなく、特別な日に大切なお客様をお通しする和室だから、普通ではなくインパクトのある空間に。
障子には、最近では珍しくなった変わり組子をご提案。紙ではなくワーロンという和紙の風合いを持った樹脂板を使っているので、好みの色が選べます。
廊下から和室の扉を開けたところ
廊下から和室の扉を開けてお客様が入ってくるときは、このような感じになります。二間を隔てていた壁を取り払い障子にしたので、障子をオープンにしておくと、奥の間まで広く見渡せます。
二間続きになる和室
扉から和室の中に入ってきたところ。正方形の琉球畳、赤い挿し色にインパクトがある変わり組子障子、
照明はダウンライトですっきりと。モダンでありながら、日本の伝統も感じさせる、すてきな和の空間が広がります。
二つの和室を障子で仕切る
二間を仕切っていた壁を天井まですべて取り払い、3枚の障子をはめ込みました。障子を開けると、このように大勢で集まれる広い空間になります。
障子は変わり組子と呼ばれる日本の伝統的な建具の技術です。こちらの組子は流れる雲を表した型ですが、光の具合や見る人の感覚で穏やかにも荒々しくも見えます。
床の間
床の間の壁にはタイルを採用。中央には波のイメージで塗り込めた漆喰の壁が。漆喰壁の裏からもれる間接照明がタイルの表情を浮き上がらせています。
床は石目調のフローリング材です。床柱は元の部材を用い、一度磨き、建具などに合わせて色を塗り直しました。
夜の和室
夜になると、また違った雰囲気の空間になります。天井のダウンライトは4つを正方形に配置、一つ一つも四角にして、和の雰囲気に合わせました。
間接照明で美しさが際立つ床の間も印象的です。
階段ホールの飾り棚
こちらは階段を上がってきたところ。お客様を出迎える空間ですので、ニッチスペースに飾り棚を設けました。
奥の壁にはタイルを使用。スポットライトが美しい陰翳をつくり出しています。
廊下から和室へ
廊下を通りぬけ、正面の格子扉の向こうが和室です。
建具の色を揃え、それに合う色の壁紙をチョイスしました。
洗面脱衣所
和室の手前にある洗面所。お客様が使用することも想定して、洗濯機などが置かれた奥のスペースをすっぽり隠せるようにロールスクリーンを取りつけました。
洗面台は、今回のリフォームのコンセプトカラーである赤をセレクトしました。
バスルーム
在来工法のお風呂をユニットバスに変更。今回新たに、浴室暖房とアクアジェットバスを取りつけました。
寒さを気にせず、今まで以上に快適なリラックスタイムを過ごすことができそうです。
息子さんの部屋
元々6畳の和室を、壁を取り払って隣の部屋を一部取り込み、10畳ほどの洋室にリフォーム。フローリングには明るめのナチュラルカラー、
壁と天井は白で、明るく仕上げました。遊び心を感じさせる深紅の壁は、インパクトのある色だけに面積を抑えめにして主張過ぎないようにしました。
リフォーム前の課題
あまり使用していなかった和室。普通ではつまらないので、お客様を迎えたくなるような、いらっしゃった方が驚いてくれるような、インパクトのある空間にしてほしい。
ここを学べ!
和室だからこうだろう、という既成概念を取り払い、どんな空間なら使いやすいか、愛着が持てるかを考えることが大事。新しい物を取り入れつつ、伝統のもの、古いものを残すようにすれば、十分に和室としての格を保つことができる。
使いやすい和室にするために、二間を仕切っていた壁を取り払い、広い空間として使えるようにしました。