内装を一新し、壁・床面の素材感にこだわった室内空間にしたいというリフォームのご要望でした。施主様は、過去にアパレル店舗の開発に携わったご経験があり、内装材などについての知識が豊富。求めるイメージが明確だったため、仕上がりのイメージをすり合わせながらのリフォーム提案となりました。
1階・リビング
目の前は、公園になっており、都心部としては奇跡的な見晴らしの良さ。エスタコウォールの壁越しに眺めると、眺望が一層映えます。素材感のある左官仕上げの壁は、お気に入りのアンティークインテリアにもピッタリです。
1階・リビング西側
学生時代に、お友だちからプレゼントされた約100号の絵画。施主様がモデルとか。福生や三宿などのアンティークショップ巡りがお好きとのことで、味わいのあるアンティーク雑貨や照明、家具に囲まれた素敵なリビングです。
1階・リビング東側
ご自身で描かれた絵画作品。白壁にマッチしています。キャンバスボードを飾っているのは、造作されたスペース。漆喰壁の方蓄熱性能と、真南に向いた広い窓の通風と日差しの効果なのか、夏は涼しく、冬は陽が出れば暖房がほとんど要らないほどに暖かいそうです。
1階・床材
1階リビングの床には、自然な色むらが演出されたテラコッタの大判タイルを使用しました。ほどよいヴィンテージ感がアンティーク家具に見合った雰囲気です。滑りにくい仕上がりになっているので、ワンちゃんにも好評のようです。
2階・階段前ホールスペース
木目が美しい銘木、タガヤサンの無垢材を使用したフローリング。階段を上がったこのスペースは、アトリエとして絵を描いたり、読書をする施主様お気に入りの場所です。姿見のついたアンティークテイストの物入れは、一目惚れで購入されたとか。
2階・階段前ホールスペース
階段横の壁面に設えられた本棚は、購入時からのお気に入り。以前のオーナーも気に入っていたそうで、パーソナルカルチャーを引き継いでくれるならと物件契約が成立したそうです。
今回のリフォームでトイレ側の壁まで全面に本棚を作り直しました。階段の手すりも室内の雰囲気に合わせアイアンで造作しました。写真奥が北側の浴室、右手側のトイレには灯かりと通風の取れる室内窓を取り付けました。
1階・トイレ
トイレは、モザイクタイルを貼り、便器を新しくしました。1階のトイレのドアは、施主様がアンティークショップで購入したもの。何か所かに残る落書きが味わい深いです。スグ前には造作洗面台があり、ワンちゃんの帰宅時に足が洗えて便利。
リフォーム前の課題
『キューバのヘミングウェイ博物館』、それがお客さまからご依頼のあった共有イメージです。お気に入りの絵画、こだわりのアンティーク家具や照明にフィットする内装にすることが課題でした。美術大学ご出身ならではの美意識と、理想の完成形をお持ちだったため、お客さまのご希望に近づけるためのご提案を心がけました。
ここを学べ!
リビングの窓側に漆喰の壁をたて、窓面積の開口部をつくり、シルバーのサッシフレームを隠しました。部屋からの景色が絵画のように見えてきます。築46年のサッシの存在感を失わせる演出効果は大きいです。お部屋の空間は壁の厚み分少し狭くなりますが、それ以上に室内の壁面に統一感をもたせる、大変に良いアイデアだと思います。
Before
After
室内の壁はすべて「エスタコウォール」。石灰石が主原料の自然素材で、漆喰や珪藻土の持つ、優れた吸放湿性能・放蓄熱性能などを併せ持ち、シンプルで素材感のある仕上がりになります。リビングの床材は自然な色むらのあるテラコッタの大判タイル(600mm角)にし、白と黒に統一された個性的な空間が出来上がりました。