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窓のリフォーム「カバー工法(外窓交換)」とは?メリット・デメリットや注意点を解説
「窓をスムーズに開閉できない」
「窓を閉めたときに隙間が空いてしまう」
「窓の断熱性を高めたい」
このようなお悩みを抱えている方におすすめなのが「カバー工法」による窓のリフォームです。壁を壊すことなく窓を交換できるカバー工法は、工期が短く費用を抑えられる点が大きな魅力。
今回の記事では、カバー工法のメリットやデメリット、設置の際の注意点などを解説します。
窓の「カバー工法(外窓交換)」とは?
※画像引用:先進的窓リノベ2024事業|対象工事の詳細
外窓交換のひとつであるカバー工法は、今ある窓(ガラス障子)を取り外し、窓の「枠」のみを残して、上から新しい枠を取り付ける工法です。「外窓」とは、住宅の外側に面している開口部で、屋外から施錠できない建具を指し「ガラス障子」はガラスと框を合わせた部分をいいます。
カバー工法による外窓交換は、壁を壊さずに施工するため、1窓あたりの工事を最短半日で完了でき、コストダウンにつながります。
はつり工法との違い
外窓交換では、カバー工法以外に「はつり工法」という方法があります。はつり工法とは、既存の窓(ガラス障子)と窓枠を取り外し、新たな枠を取り付けて複層ガラスなどに交換する工事を指します。
壁を壊す(はつる)ので、カバー工法よりも工期は長く費用も高くなる傾向がありますが、既存の窓よりもサイズを大きくしたり、位置を変えたりできる点がメリットです。
内窓との違い
内窓(二重窓)とは、既存の窓をそのまま残しながら、部屋の内側に新たにもうひとつ設けられた窓を指します。内窓は「インナーサッシ」とも呼ばれ、窓が二重になることで気密性がアップし、高い断熱性や防音性が期待できるものです。
既存の窓のサイズに合わせて設置するため、サイズや位置を変えることはできません。換気の際は窓2枚分を開け閉めしなければならず、手間がかかるのが難点です。
窓のカバー工法の5つのメリット
窓をカバー工法でリフォームするメリットは、主に次の5つです。
メリット①:短工期で施工でき、費用が抑えられる
カバー工法は壁を壊すことなく施工できるため、工期が短く、少人数で作業を終わらせられます。短工期・少人数により、費用を抑えられる点は大きな魅力です。
メリット②:断熱効果がアップする
カバー工法では、既存の窓(ガラス障子)を新しくするため、断熱性の高いガラスを選ぶことで熱の出入りを抑えられ、断熱効果がアップします。断熱性の高いガラスには「複層ガラス」や「トリプルガラス」などが挙げられます。
経年劣化で歪んでしまったサッシ(窓枠と框の部分)も、カバー工法によって改善されるので、隙間風や雨風の吹き込みが防げるのも嬉しいポイント。サッシを樹脂製にすれば、さらなる断熱性が期待できます。
メリット③:窓の不具合が改善される
カバー工法は、窓のサッシのレールやガラス障子などをすべて新調するため、窓の開閉時の不具合が改善されます。家の窓がガタついたり、鍵がかかりにくかったりする場合は、カバー工法によるリフォームがおすすめです。
メリット④:窓の種類を変えられる
カバー工法では、既存窓とは違う種類の窓に変更できます。たとえば、開閉できないFIX窓(はめ殺し窓)から開閉できるタイプにしたり、逆に開閉できる窓からFIX窓にしたりと、開閉方法を変えられるのです。ライフスタイルの変化に応じて、窓の使い勝手を変えられるところは利点といえるでしょう。
メリット⑤:部屋の雰囲気を変えられる
カバー工法によって窓枠の色を変えれば、窓の見た目が一新。部屋の印象を大きく変えられます。日本の住宅では今なおアルミ製のサッシが主流であり(※)、シルバーやブラック、ブラウン、ブロンズなどの色が一般的です。
古い住宅であるほど「アルミ色」のサッシが多く見受けられますが、現在は木目調のカラーもあるので、インテリアに合わせてコーディネートできます。
(※)一般社団法人 日本サッシ協会のデータによると、戸建てのアルミサッシの普及率は66.7%、樹脂サッシ普及率は33.2%です。
<参照>
一般社団法人 日本サッシ協会|2024年5月1日 2024年3月版『住宅用建材使用状況調査』の概要
窓のカバー工法の2つのデメリット
メリットが多いカバー工法ですが、デメリットも存在します。主なデメリットを2つご紹介します。
デメリット①:窓のサイズや位置を変えられない
カバー工法は既存の窓枠を利用する工法なので、サイズや位置は変えられません。「窓の位置をずらしたい」「サイズを大きくしたい」という場合は、はつり工法で対応することになります。
デメリット②:開口部が小さくなる可能性がある
カバー工法は、既存の窓枠に新しい枠を上から被せる工法なので、若干ではありますが窓のサイズが小さくなります。商品によっては既存の窓とほぼ変わらない採光や通風を確保できるものもあるため、リフォーム会社に相談してみましょう。
デメリット➂:断熱効果に対するコストパフォーマンスは内窓にメリットがある
使い方や見た目の変更など、窓リフォームを行う目的はさまざまですが、一番多いのは、断熱性能の向上ではないでしょうか。断熱性能を高めたい場合は、カバー工法以外に内窓の設置という方法もあります。同じ断熱性能を確保するのに、一般的には内窓の設置の方がコストパフォーマンスに優れています。
しかし、内窓は窓の開け閉めが煩わしいといったデメリットがあります。またカバー工法と内窓では見た目にも違いがありますので、それぞれのメリット・デメリットを比較し、好みに合わせて検討しましょう。
窓のカバー工法の作業手順
カバー工法の手順はとてもシンプルで、次の5つの工程で施工します。
①既存の窓(ガラス障子)を外す
②既存の枠に下地(補強材)を取り付ける
③新しい枠をはめ込む
④新しい窓(ガラス障子)を取り付ける
⑤継ぎ目や隙間にコーキング(シーリング)剤を注入する
カバー工法は、既存の窓や壁を壊さないため、窓ひとつあたりにかかる時間を短縮できます。複数の窓を同日に施工できるのも利点です。
窓のカバー工法を検討するときの2つの注意点
カバー工法を検討する際は、次の2つの注意点を押さえておきましょう。
掃き出し窓の場合、段差でつまずく恐れがある
リビングなどの掃き出し窓(人が出入りする窓)の場合、カバー工法によって段差が生じ、つまずいてしまう恐れがあります。建材メーカーによっては段差を極力なくした商材を扱っているところもあるため、リフォーム会社に相談してみましょう。
マンションの窓をリフォームするときは管理組合に申請する
マンションの窓をカバー工法でリフォームするときは注意が必要です。
2016(平成28)年の「マンション標準管理規約」(※)の改正により、ベランダなどに通じる共用部の窓のリフォームを自己負担で行うことが可能になりました。ただし、個別契約でリフォームする際は、マンションの管理組合に申請し承認されなければなりません。
申請しないまま勝手に工事すると、規約違反になる恐れがあるため、まずは管理組合に問い合わせてみましょう。
※国土交通省|マンション標準管理規約(単棟型) 第22条2項 P6、7
まとめ
外窓交換の工法である「カバー工法」についてご紹介しました。
建物の熱の出入りが最も多い箇所が、窓をはじめとした「開口部」です。特に夏場は、屋外から室内に伝わる熱気の約7割が開口部から流入します。地球温暖化の影響で、夏の暑さは年々ひどくなる一方。家の断熱性能を高めるリフォームの需要はますます増加していくことでしょう。
カバー工法によって断熱性の高い窓へ変えることで、室内の冷暖房効率がアップし、過ごしやすい家が実現します。壁を壊すことなく、比較的手軽にリフォームできるカバー工法で、性能の高い窓に交換しませんか?
アールツーホームでは、窓本来の役割をしっかり持たせながら、快適な暮らしや見た目の美しさを実現するため、一歩進んだご提案をいたします。窓に関するリフォームもぜひお気軽にお問い合わせください。