昭和55年建設のマンション。2015年まではお母様が住まわれていましたが、その後は賃貸されており、空いたタイミングでリフォームを検討されたそうです。
海外に在住されているため、やり取りはメールなどが主でしたが、こちらのレスポンスのスピードや地元の会社という安心感などを気に入っていただけました。
バリアフリー化に併せて天井高もご希望されていたため、床を上げるだけでなく、ひとつひとつ問題をクリアしながらご要望に沿ったご提案をしました。収納もウォークインクロゼットではなく、ウォークスルータイプにすることで、快適な動線でより暮らしやすい間取りを実現しました。
大きな窓からはたっぷりと光が入り、目にも優しい無垢床の木目が心地よく、ゆったりと寛げる住まいが完成。「大満足です!」とお褒めの言葉を頂きました。
◆Before・After
1LDKの間取りをLDK+ウォークスルークロゼットに変更。さらに大容量の壁面収納を備えることで、スッキリとした大空間を叶えることができました。「収納のための家具を置かない」をコンセプトに、デッドスペースも収納になるキッチンなどを採用し、少しでもスッキリとした空間になるように設計しました。
リビング+ベッド
広さを優先することで開放感あふれるワンルームに決めたそうです。
経年変化を楽しめる自然素材を採用したオークの無垢床が、白を基調とした明るい雰囲気の空間にぴったりと合います。
収納のための家具は置かないというコンセプトのもと、壁一面を収納にすることで、スッキリとしたリビングを叶えました。
リビング
LDKのリビング部分は、ベッドを置いても十分な広さを確保しています。
入り口から入ってすぐの場所には、空間を緩やかにゾーニングするために格子を設置。視線が抜けるので、圧迫感なく仕切ることができました。
また、ベッドの奥にウォークインクロゼットへ繋がる動線をつくることで、回遊性の高い間取りになっています。
ベッドから見たLDK
形状に合わせてオーダーメイドされた壁面収納は大容量でたっぷりと収納できます。
天井はダウンライトを配して、空間をスッキリとコーディネートしました。
キッチン
配管の関係で、リビングより天井が低くなったキッチンは、クロスを変えたことで、ひと続きの空間ながらも印象を変えることができました。
視覚的にゾーニングすることにより、生活にメリハリをつけることができます。
L字型のキッチン
元々のキッチンはI字型で狭さを感じていたそうなので、L字型のキッチンをご提案しました。
こちらのキッチンは、丁度直角のデッドスペースになりがちな場所もワゴンとして引き出せて便利にお使いいただけます。
ワークトップも広くなり、使い勝手もよくなりました。
洗面室
白を基調とした清潔感溢れる洗面脱衣室です。
以前の洗面台は低くて使いにくかったそうなので、高さを身長に合わせて2人並んで一緒に使える広さのものをご提案させていただきました。
反対側には電気温水器のスペースがありましたが、バルコニーに給湯器を設置することにより、収納スペースを確保することができました。
玄関からLDKに向かっての動線
バリアフリーをご要望されていましたので、廊下から各スペースに至るまで、段差のない住まいを実現しました。吊り戸を採用することで、床はフラットでスッキリした見た目です。
バスルーム
海外暮らしが長いお客様に合わせて、バスタブで全て完結できる仕様になっています。
ホテルライクで明るくスタイリッシュなバスルームです。
玄関
玄関の上がり框(※)を大きく斜めに配置することで、三和土(たたき)の部分を広くとることに成功しました。三和土はタイル調のフロアマットを採用して、窓のない空間でも明るくなる工夫を。構造上フラットにならなかったコーナーは、施工途中で今の形に変更し、花瓶などで空間を彩るスペースになりました。
※上がり框(かまち)=玄関の上り口にある横木の段差部分
レストルーム
浮遊タイプを採用してオシャレに。お掃除しやすい機能性も兼ね備えました。
タイル調のクロスとアクセントクロスで空間にメリハリをつけています。
手洗いスペースもあるので、手を洗うために洗面室へ行く必要もありません。
リフォーム前の課題
築年数44年ということもあり、バリアフリーなどには対応していなかったので、将来を見越してバリアフリー化をご希望されました。また、家に入る第一歩目の玄関を明るく、海外から帰国された時の荷物がすんなりと入る広さをどう叶えるかなどがありました。
ここを学べ!
海外在住のため、打ち合わせはオンラインやメールがメインでしたが、写真やパースでイメージを共有しつつ、仕様決めの時は一時帰国していただき、予定を詰めて一気に決めていきました。
隣接する洗面室とレストルームのどちらも引き戸にしたいというご要望をいただき、従来の方法では壁が足りなかったのですが双方から引き込む形に職人さんが造作して実現することができました。